HissarのJuniper林
ビャクシンの疎林
林間の細い道は家畜が通った小径で縦横に続いている。家畜は樹木の実生や稚樹を食べてしまう。この場所は村からかなり離れた奥地にあり、苗木を運び、植林することまで生活に余裕がない。これは現実的ではない。強敵の家畜の存在がある。ここは入会地で、部落民の共有地である。自然に落下した種がうまく稚樹にまで生長しないか?天然更新技術と言うんだが、一時的に家畜の侵入を防いだり、落下した種がうまく生長する工夫(地表面の掻き起こし)がいるんだが?
Juniper林の純林
Shakhristan地区
首都Dushanbeから第2の都会(Khudzand)に向けてM3国道を北上するとその間に、Anzob峠とShakhristan峠という3400mクラスの峠を二つ越える。一つ目は標高2500m付近にイランの協力によって、トンネルが掘られている。もう一つは2010年当時は峠まで車で上った。北斜面にはJuniper林がみごとだ。このあたりの降水量はタジクで最も豊富(1800mm/年)でJuniper林の純林をよく見かける。6月の頃に、この峠を越えて北斜面のJuniper林を眺めながら走っていると、思わず赤いポピーの花に包まれた大草原にでくわした。メルヘンの世界だ。
電気柵(Kumarg, Ayni)
家畜の食害対策
新しく設定した果樹園。放牧された家畜が苗木を食べないように電気柵を試験的に導入。子供たちは子犬を使ってテストをする。電気柵は家畜の食害を防ぐ為、柵の内側に成長の早い野生種のバラを植える。数年で、バラは垣根の高さ2-3mの大きさになる。そして新しい荒廃した場所に柵を移設する。この繰り返しで生態系が修復されるのではないか?ともくろんだ。チェリーやリンゴは数年後に百キロ単位で収穫があった。しかし、樹木の植林では収穫するまで想像以上の時間を要する。簡単にはお勧めできない。
地元住民が作った家畜よけの柵
Romitの部落で
地元住民の自家製ー柵である。材料は現地にある粗朶(小枝)と泥である。藁のようなもので泥同士を強め、強度を上げていたかもしれない。子供の頃に住んでいたわが家の土壁にも、たしか竹や芦を十字に組んで、刻んだ藁を泥に混ぜて作業員が素足でこねていた。まさに、そのものだ。自然の材料を利用するから、それなりの効率のよさを垣間見たきがする。灌漑にも言える。塩ビのホースは高くて手に入らない。毎年、少しずつ手入れしてやれば手間がかかるが役目は果たせるというものだ。