最近の出来事

2024.06.21 15:00 から 令和5年度第10回定期総会開催 〔株)グリーンシグマにて
2024.05.30 から 2024.06.11 タジキスタン出張
2024.01.30 TOYO TIRE グループ環境保護基金(日本フィランソロピー環境基 
     金)申請書 採択
     タジキスタン国・パミールのエネルギー危機とその持続可能な解決方
     法の提案

2023.12.15 イーオン環境財団 第33回(2024)申請書 採択
     中央アジア・タジキスタン国における多様な里山の豊かさを持続的に 
     享受できる手法を実践するとともに、最近の気候変動に対処するため
     により気候緩和機能の優れたビャクシン森林(Juniperous
     torukistania)の創出
2023.7.112-8.11 タジキスタン現地調査 Alichur(テレスケン保護区拡張、
     テレスケン天然更新確認、Zong(温泉水熱エネルギー利用による全
     天候型温室の建設,Pamir Biological Institute 表敬、共同研究に関す
     る協定書 と テレスケン種子発芽実験成功)
2023.7. 3   令和5年度「緑の募金活動資金」支援金 採択されず
2023.6.29  令和4年度定期総会議事録送付
2023.6.17  令和4年度定期総会(第9回)新潟(株)グリーンシグマ 15:00から

 

羊の行進

放牧地間の移動

2009年の9月に始まった、私のTajikistanの植物調査(イスラム文化や習慣の会得)では地方の村々を訪ねることが多かった。よく羊の群れに会った。羊の群れは牧童と牧羊犬で構成される。砂埃を立てて移動するから遠目でもすぐ群れとわかる。国道でも、羊の群れと遭遇したらじっと待つしか無い。犬は主人に代わり羊を警護する。特に、放牧地で羊の群れに遭遇したら気を付けなければならない。犬は人間が気付くより早く気づき、行動するからだ。犬は他人を受け入れてはいけないと厳しくしつけられている。
 

夏の放牧地

Rog村(Zaravshan河上流)

Kumargの耕作地の一角に私たちが支援した果樹園がある。そこから、川沿いに小径を行くと羊飼いの夏のサイトに着く。標高2000mである。石をブロックにして積み重ねた家、シートをかぶせてある。ここで夏の間、朝夕草を家畜に食ませる。羊やヤギの乳を搾り、木製の細長いタルに入れ、板付き棒で上下させ、バターを作る。時々、村から食事の材料になる小麦粉を運ぶ。帰りにチーズやバターを降ろす。
 

ジャガイモ畑

Vodif村(Zaravshan河上流)

Zaravshan河の上流。標高5000m近い山々が迫る。猫の額のような平地にジャガイモを栽培している。種芋はウイルスフリーである。ドイツの援助団体(Welt Hunger Hilfe)世界飢餓救済 日本語に訳すとなぜか宗教じみた感じだが、列記としたNGOである。ジャガイモは連作すると病気がはびこり、農民は毎年種芋の入手に大変苦労をしている。そこで彼らがウイルスフリーの種芋を村々に配っているのである。私たちは植生調査中、なんどかこの谷で種芋を運ぶ彼らと出会った。
 

大麦の収穫

Kumarg村(Ayni)

kumarg村。6-7月の始めに、麦の収穫である。ソビエト時代のトラックにうずたかく積み上げる。村に運ばれた麦は、小川を利用した水車式石臼でコトコト粉にするのである。石臼の構造は二枚の円形をした石盤が上下に組み合わさっている。お互いのこすり合う面には、放射状に浅い溝が掘られている。その溝に沿って、麦の種が石臼の周辺部へと移動していく。挽かれた粉はその溝に導かれ、遠心力を利用して、臼の外側にはき出される。麦の種は石臼の中央部に、直径5cm程度の穴がある。この穴に臼の振動によって、麦の種はうまい具合に穴に落ちていく。
 

HissarのJuniper林

ビャクシンの疎林

林間の細い道は家畜が通った小径で縦横に続いている。家畜は樹木の実生や稚樹を食べてしまう。この場所は村からかなり離れた奥地にあり、苗木を運び、植林することまで生活に余裕がない。これは現実的ではない。強敵の家畜の存在がある。ここは入会地で、部落民の共有地である。自然に落下した種がうまく稚樹にまで生長しないか?天然更新技術と言うんだが、一時的に家畜の侵入を防いだり、落下した種がうまく生長する工夫(地表面の掻き起こし)がいるんだが?
 

Juniper林の純林

Shakhristan地区

首都Dushanbeから第2の都会(Khudzand)に向けてM3国道を北上するとその間に、Anzob峠とShakhristan峠という3400mクラスの峠を二つ越える。一つ目は標高2500m付近にイランの協力によって、トンネルが掘られている。もう一つは2010年当時は峠まで車で上った。北斜面にはJuniper林がみごとだ。このあたりの降水量はタジクで最も豊富(1800mm/年)でJuniper林の純林をよく見かける。6月の頃に、この峠を越えて北斜面のJuniper林を眺めながら走っていると、思わず赤いポピーの花に包まれた大草原にでくわした。メルヘンの世界だ。
 

電気柵(Kumarg, Ayni)

家畜の食害対策

新しく設定した果樹園。放牧された家畜が苗木を食べないように電気柵を試験的に導入。子供たちは子犬を使ってテストをする。電気柵は家畜の食害を防ぐ為、柵の内側に成長の早い野生種のバラを植える。数年で、バラは垣根の高さ2-3mの大きさになる。そして新しい荒廃した場所に柵を移設する。この繰り返しで生態系が修復されるのではないか?ともくろんだ。チェリーやリンゴは数年後に百キロ単位で収穫があった。しかし、樹木の植林では収穫するまで想像以上の時間を要する。簡単にはお勧めできない。
 

地元住民が作った家畜よけの柵

Romitの部落で

地元住民の自家製ー柵である。材料は現地にある粗朶(小枝)と泥である。藁のようなもので泥同士を強め、強度を上げていたかもしれない。子供の頃に住んでいたわが家の土壁にも、たしか竹や芦を十字に組んで、刻んだ藁を泥に混ぜて作業員が素足でこねていた。まさに、そのものだ。自然の材料を利用するから、それなりの効率のよさを垣間見たきがする。灌漑にも言える。塩ビのホースは高くて手に入らない。毎年、少しずつ手入れしてやれば手間がかかるが役目は果たせるというものだ。
事務局

住所:〒422-8017 静岡市駿河区大谷3100-40
名称:特定非営利活動法人(NPO) 中央アジア森林草地保全研究所
   代表理事 角張 嘉孝
電話: 054-237-0269 Fax: 054-237-0269
E-mail contact: yktajikistan@gmail.com