(Pamirにおける植生回復・保全事業)

タジキスタン国・パミールのエネルギー危機とその持続可能な解決手法の提案
事業の背景 

  • 背景:タジキスタン国パミール(ゴルノ-バダフシャン州)ではソビエト連邦崩壊後、燃料の供給が絶たれ、住民は煮炊きおよび暖房のため、自生しているテレスケンを燃材として乱獲。砂漠化が進行し、その持続可能な解決手法が提案されているが、未だ未解決の問題である。
  • 世界的なツーリズムの進展と中国の一帯一路政策により、パミールの主要な村々は許容量を超える人口圧で、脆弱な自然生態系、とくに天然の燃材としてのテレスケンの入手が困難になっている。国連大学は2010年1月「パミール高原のエネルギー危機」として世界中にその問題の本質とその解決手法についてよびかけている。
  • パミールには温泉が豊富にある。温泉水の熱エネルギーを利用した温室を構築し、年間を通してテレスケンの育苗や緑黄野菜の栽培が期待されている。厳冬期は零下25℃を超える低温が続き、住民の活動は著しく制限される。



成果・目標

  • パミール全域のエネルギー(燃材)不安の払拭。テレスケンの供給量と消費量(需要)の収支バランスを年度ごとに整理する。テレスケンの天然更新(供給)が確実なものになること。保護観察地区の拡大によって、供給量が増大できること。同様な観察・計算を継続することによって、数年の間に持続可能性を数量的に評価できると思われる。

パミールにおける燃料材(テレスケン)の保続